1976年10月、泉州・岸和田の山間部に樽を改造した個室5棟で創業。材料の樽は醤油の醸造に使われたもので、近くは泉南・熊取、遠くは播州方面の蔵元から買い受けました。この独特な空間づくりにプロデューサー的人物の存在はなく、すべて身内の試行錯誤によって作り上げたものです。ここでお出しするお料理は、カンテキ(七輪)とジンギスカン鍋による鉄板焼き。創業から今日に至るまで、このスタイルをずっと続けてまいりました。お部屋はそれぞれが離れ座敷になっており、大変静か。他のお客様と同室になることもなく、小さなお子様がおられても安心しておくつろぎいただけます。
開業当初の苑内は、実に殺風景で風情に欠けるものでした。そこで樽の部屋を取り囲む庭木をたくさん植え込んで、庭園を含めた店づくりが始まったのです。とりわけ力を入れ、店のシンボルにと願いを込めたのが桜でした。斜面を含めた4千坪の敷地に6百本。毎年春には見事に咲き乱れ、多くのお客様がご来店いただきます。また年が経つほどに、この庭園も厚みを増し、桜だけではない四季折々の花木が彩りを見せるようになりました。より多くのお客様に当店の四季とお料理を楽しんでいただくことが、日々われわれの喜びなのです。